2018.05.12 Saturday
3187 アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5):浅井 昭 遺作展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5)では、浅井 昭 遺作展。
会場風景。
浅井 昭(1928−2017)
多摩美術大学で長く絵画科油画科助教授を務め、
1958年より2001年まで毎年、
東京都美術館における新象展に出品し続けた作家です。
展示された作品は多様な抽象表現ですが、
勢いあるストロークで絵具がほとばしる、
アグレッシブで自己陶酔型の作風ではなく、
表現したいことを、
美術という手段で表現するための
知的な思考で追い込んでいます。
作風の多様性は、
表現のモチーフ、モチベーションに対する、
手段の最適化の現れです。
作品の素晴らしいところは、
柔軟で遊び心に溢れた発想力に加え、
美術作品としてのクオリティを満たすための
卓越した画力を備えている点です。
往々にして出会ってしまう、
貧相な画力を、
コラージュや転写、意味ありげなアイコンで補う、
頭でっかちのコンセプチュアルな「抽象画」とは、
次元そのものが異なっています。
作家のイメージを視覚化するため、
浅薄な手段を回避し、
存在自体をむき出しにする。
そんな印象でした。
むこうとこっちのエレメント
1967年
分化(A)
1974年
分化
1977年
ホワイトベースにパラシュート・A
1973年
波は異国もみな同じ No、8
1991年
CANVAS・F120・(A)
1979年
宮大工
1997年
天使(ガブリエルの使者)
2004年
写真:筆者撮影
20180508 鑑賞