2018.05.16 Wednesday
3194 巷房1+巷房2+階段下(中央区銀座1-9):佐藤 卓 展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
巷房1+巷房2+階段下(中央区銀座1-9)では、佐藤 卓 展。
「巷房1」会場風景。
展覧会タイトルは、ーMASSー。
佐藤卓?
あの佐藤卓なのかな、と確認すれば、
やはり佐藤卓でした。
商品デザイン、ブランディング、
博物館や美術館のVI、企業のCIなど、
高品質で多岐に渡る活動の中で、
こんな基礎体力養成みたいなこともしているのだな、
と、感心します。
このレベルまで初源に戻る鍛錬を続けることで、
あれだけの切れ味が出るのでしょう。
閑話休題、会場に入れば、
様々なラミネートチューブ容器から、
半固形状の中身がヌルッと出てくる刹那を、
唖然とするほどに(バカでかく)再現しています。
ラミネートチューブは、中身の材質によって、
ノズルやヘッドのデザインが変わり、
絞り出された中身の姿も変わっています。
ああこれは、歯磨剤だな、絵具、接着剤だ、
などと予想がつきます。
MASSとは大量生産品を示します。
これらラミネートチューブ製品は、
大量生産品の典型です。
大量に出回る商品は、中身、外見とも全て完璧に同一です。
しかし、個性が現れる場面もあります。
それは、このように、中身が現れる時。
使う人、その時の事情により、
絞り出される姿は微妙に異なります。
アートは、
見えているものから何かを見ること。
驚きを見つけて(大袈裟に)反応すること。
それを創ること。
普通の人の日常の時間が無意識に流れていくなかで、
描いたり、造ったりすることで、
当たり前のことが、
何かとんでもないこととして、
脳裏に投影される。
そんな印象でした。
中身でノズルが変わり、出かたに個性が現れます。
巷房2会場では、巨大なラミネートチューブが横たわっています。
ふと、自分が巨大な毒虫になっていることに気付いた
ザムザが連想されます。
階段下会場。
中身のようです。
写真:筆者撮影
20180508 鑑賞