2018.07.06 Friday
3283 ナンヅカ・アジェンダ 渋谷(渋谷区渋谷2−17):ダニエル・アーシャム展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
ナンヅカ・アジェンダ 渋谷(渋谷区渋谷2−17)では、
ダニエル・アーシャム展。
会場風景。
展覧会タイトルは、ーArchitecture Anomaliesー。
刺激的な鑑賞体験です。
これだから画廊巡りはやめられません。
正面に単体で立っている作品以外は、
全て壁に取り付いています。
「アーキテクチャー・アノマリーズ」
とあるように、作家の視点は建築側にあります。
その点、
人体から直接石膏で型を取る手法で先行している、
ジョージ・シーガルの、
日常の一場面を凍結させた作品群とは、
コンセプトが異なります。
人が壁の中に取り込まれたのではなく、
建築の異常事態により、
壁から、床から、人が湧き出たようです。
あるいは、
掛け時計が、壁を引きずって移動した。
しかし、布状に膨らむシルエットにより、
筆者は、人と勝手に判断しているだけで、
その実態は不明なのです。
もののもつ存在感とか重量感は、
あくまで暗示であり、
究極の具象の果ての抽象が視覚化されています。
静寂の中の不思議な生命力。
直接表現されていない人的な存在の、
闇からの視線という予感が、
この空間を特別なものに変容させている。
そんな印象でした。
写真:筆者撮影
20180629 鑑賞