2018.07.08 Sunday
3285.しぶや 黒田陶苑(渋谷区渋谷1-16-14):今井瑠衣子展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
しぶや 黒田陶苑(渋谷区渋谷1-16-14)では、
今井瑠衣子展。
会場風景。
展示台の上に、
帽子やカバン、靴、文房具、衣類、食器など、
日常生活でおなじみの小物類が並んでいます。
サイズや形はオリジナル通りに再現されています。
違いは素材感です。
一見、砂糖や雪を塗り固めたようで、
触ると崩れるような儚い感じで、
照明を受けて、細かくきらきら輝いています。
何がどうなっているのかわからず、
見慣れたものたちによる、
非日常的な事態をしばし楽しみます。
現物(モチーフ)から型紙を起こし、
真鍮の網で骨格をつくり、
ガラスを焼き付けています。
普通通りならば、
一体化された透明ガラスになってしまうところ、
ガラス元が少し溶け合う状態で固定されるよう、
焼成のタイミングを調整しています。
使い慣れた道具の、
使っている最中のある場面が
使う人の心理やシチュエーションも含めて、
凍結されたようです。
卓上のありふれた様子を
キャンバス上に再現することで、
アート(刺激、驚き、発見)に変容させる試みが、
静物画ならば、
今回の作品群は、
モノクロの立体静物画。
鑑賞者がそれぞれに物語を引き継ぐことのできる
余白がたっぷり残っている。
そんな印象でした。
写真:筆者撮影
20180707 鑑賞