2018.11.06 Tuesday
3460 コバヤシ画廊(中央区銀座3-8):庄子和宏展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
コバヤシ画廊(中央区銀座3-8)では、庄子和宏展。
会場風景。
緑系の色彩がベースの、
早い動きのストロークの抽象表現に見えますが、
それぞれの作品には、
四つん這いになる人が手を伸ばして
球を取ろうとしている様子が、
微かに認めることができます。
作品名は全て共通の「忘れた絵の具」。
最初のモチーフの形が崩れて、
絵画全体の中に埋没していくスタイルの
抽象表現は珍しくありませんが、
このように明確な意思の伴う
一風変わった具体的な動作をモチーフにする
というモチベーションはかなり独特です。
画面は油絵具の積層ですが、
そこから人の姿や手の動きなど、
具体的なイメージが徐々に浮かび上がってきます。
無理な体制からボールとなんとか取ろうとする、
困難な状況における意思というか、執着が現れます。
無防備に、
絵具の積層としての抽象画と向かい合っていたら、
妙な状況に出会ってしまった。
それらは物質としての絵具の成せる技ですが、
そこには、いきなり内面世界を拓く神秘がある。
そんな印象でした。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
写真:筆者撮影
20181023 鑑賞