2018.12.08 Saturday
3520 児玉画廊 天王洲(品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F):関口正浩展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
児玉画廊 天王洲
(品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F)
では、関口正浩展。
会場風景。
展覧会タイトルは、ーまばたきのかたちー。
平面上で表現される美術は絵画で、
立体で表現される美術は彫刻です。
絵画は描き、彫刻は作ります。
しかし、絵画を作っても構わないのです。
油彩画はキャンバスを基材として、
油絵具を塗り付けることで成り立ちますが、
直接塗り付けず、
別の場所で油絵具を素材とする薄い膜を作り、
キャンバスに固定するという、
描かずに、作る手段でも、
油彩画に見える絵画になります。
作家は、皺くちゃにしたビニールシートに絵具を塗り、
広げて絵具の面をキャンバスに重ね合わせ、
絵具をキャンバスに融着させた後、
ビニールシートを剥ぎ取ることで、
シール転写風の油彩画を「作って」います。
確かに作品は皺くちゃにした紙風の
様相を呈しています。
油絵具膜のコラージュともいえるし、
油絵具膜の透かし彫ともいえます。
絵画は、
「モチーフ=ホンモノ」のイリュージョンであり、
本当の「ホンモノ」である油絵具という素材は
鑑賞上、考慮されません。
一旦、油絵具皮膜という状態で成立した実態は、
油彩画というフィールドに立つために、
キャンバス上に仮に置かれたものの、
絵画とは異なる言葉、
すなわち、視覚的ではなく触覚的な力が使われている。
そんな印象でした。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
写真:筆者撮影
20181204 鑑賞