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紋谷幹男が画廊巡りの印象を綴っていきます。
3560 河原温「DEC. 29, 1977」について
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    JUGEMテーマ:美術鑑賞



    14回目は、河原温「DEC. 29, 1977」について。



    河原温(かわら おん
    DEC. 29, 1977
    1977年
    8 x 10 inches
    キャンバスにアクリル絵の具

    1966年から描き続けられている「日付絵画("Today"シリーズ)」。
    単一色に塗られたキャンバスに、
    その「絵」が制作された日の日付だけを描いています。
    デジタルな書体のため、型紙を使ったように見えますが、
    実は丁寧なフリー・ハンドの仕事です。
    文字も特定のフォントではありません。

    制作当日の0時からキャンバスの下塗りを施し、
    起床後、下地を塗り、
    白で『年月日』を書き入れ、その日のうちに完成させます。
    完成後、その日の新聞を入れた箱におさめられます。
    その日の24時までに描き終わらなければ廃棄されます。
    毎日制作することもあれば、月に1作ということもあります。
    主に、画家の旅行先で制作描かれますが、
    その際は、その土地の言語が用いられます。
    継続して描かれた作品数は98年時点で2,000点以上に及びます。

    以上が作品の説明です。

    制作された日付だけを、無個性な文字で描く。
    制作地で発行された新聞の切り抜きが、
    サブタイトルとして作品に付随される。
    その行為が際限なく反復されてゆく。

    描かれた内容だけが、
    作家の個性や制作モチベーションを表わすのではありません。
    作品は、特定の日時、場所で、
    河原温という生きた存在が制作行為を行ったという、
    事実だけを顕在化させています。

    この一見「無個性画一的手法」による「機械的作業」は、
    そのドライさにおいて、
    画家の制作痕跡は、
    個人の記録という即物性へ純化されます。
    画家が生きていることの記録が重なり続けることで、
    無限の時間の流れに組み込まれる。
    そんな印象でした。



     
    | 印象記 | 05:12 | comments(0) | trackbacks(0) | - | 昨年の記事