2019.02.06 Wednesday
3583 藍画廊(中央区銀座1-5):吉野涼子展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
藍画廊(中央区銀座1-5)では、吉野涼子展。
会場風景。
暗い単色で塗られた背景に、
モチーフだけが描かれています。
それが何なのかが容易にわかる程度に、
それ以上のノイズを発生させない程度に
単純化、ディフォルメされています。
グラフィカルな処理ですが、
薄く塗られた色面の複雑さや、
曖昧なエッジ、
画面から聴こえてくる呟きなどで、
深みのあるアートであることが意識されます。
作家の記憶や原風景が底流にあるようですが、
描き出すという行為によって、
一旦は定着させたいという思いがあるようです。
一方で、定着させてしまうことが正しい行為かどうかという
迷いもあって、
静かな画面にはかすかなざわめきがあります。
こうやって、絵画という手段を通して、
画家の意図したものとは僅かにずれ始め、
一つの恣意的な美的世界が生まれる。
そんな印象でした。
猫を抱く少女
幼馴染
静観
写真:筆者撮影
20190122 鑑賞