2019.02.12 Tuesday
3589 ギャルリー東京ユマニテ(中央区京橋3-5-3):佐藤慶次郎の不思議な世界展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
ギャルリー東京ユマニテ(中央区京橋3-5-3)では、
佐藤慶次郎の不思議な世界展。
会場風景。
展覧会タイトルは、
ー何ごとか?!を求めてー。
静かな機械音を底流に、
オブジェに仕込まれた小さな球が、
上下、左右に動いています。
その動きには規則性や均一性はなく、
アトランダムな「人っぽい」
迷いというか、逡巡さが漂います。
人は、葉のざわめきとか、水の音、星の瞬き、
炎や波、雲や金魚の動きや変化に
時を忘れて感じ入ってしまいます。
自然の振る舞いの、予測不能さは、
心を鎮め、瞑想モードにさせる働きがあるのでしょうか。
電気や磁力が起こす微細な振動によって動く
「エレクトリック・オブジェ」の作品群は、
そんな経験の記憶をよみがえらせます。
精巧な仕組みによって実現された繊細で不確定な動きには、
イリュージョンが前提の絵画とは異なる
「ここでやっている」という時間を孕んだ実在感があり、
見る者の心に直接迫ってきます。
コントロールしようとする仕組みと
しきれない勝手な動きは、
意図と偶然の間で、
作者の内面でも、現世の世界でもない、
アートとしか呼びようのない出来事へと導く。
そんな印象でした。
ススキ
ステンレス棒の底面を起点とする円錐回転運動に伴い、
差し込まれた球体は、
それぞれの「事情により」異なる速度でゆっくり上昇してゆきます。
棒の回転運動が止まると、
「だるまさんがころんだ」的にその場で停止した後、
次の瞬間に、一斉にストンと落ちてゆきます。
力の抜けた可笑しみがあります。
オーバー ザ ウェーヴス
ヴォーテックス パフォーマンス
写真:筆者撮影
20190205 鑑賞