2019.03.15 Friday
3634 GalleryK(中央区京橋3-9):キム・ハギル展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
GalleryK(中央区京橋3-9)では、キム・ハギル展。
会場風景。
遠目からだと、明確な形態や、
中心や周辺といった構成を持たない、
オールオーヴァーな抽象表現に見えますが、
近付けばその様相がわかってきて、
作品のイメージが一変します。
通常、漉いた紙を基材として、
絵画を描きますが、
これらのアートは、
紙を漉いてつくる行為が創作そのもので、
出来上がった紙が作品となっています。
二次元上の表現なので絵画のようですが、
その成り立ちやモチベーションには、
立体やオブジェに近い発想があります。
韓紙には多くの穴や亀裂が入っていて、
その穴や亀裂の奥から、墨が滲み出ようとしています。
その穴や亀裂の入れ方と、
墨色の範囲の制御によって、この状況が生まれています。
作家の美的発想を出現させる方法として、
絵画という虚構のイメージでは不可能で、
現実という強さに託したのだと思われます。
見えているのは韓紙の世界の表面です。
墨を浸した上で、
作家の手で、確かめるように原料をまさぐられた結果、
隠されていた深い層が露出する。
そんな印象でした。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
写真:筆者撮影
20190305 鑑賞