2019.04.15 Monday
3679 Hikarie8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery(渋谷区渋谷2-21渋谷ヒカリエ8F):伊藤彩&リチャード・ゴーマン展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
Hikarie8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
(渋谷区渋谷2-21渋谷ヒカリエ8F)では、
伊藤彩&リチャード・ゴーマン展。
会場風景。
展覧会タイトルは、ーSea Both Sidesー。
伊藤彩とリチャード・ゴーマンの2人による展覧会。
2人の作家の作品を同一会場に展示したという、
さして必然性が感じられない多くの2人展に対し、
ゴーマンの特定の作品からインスピレーションを受けた伊藤が、
その絵に対応した油彩画を制作し、
その1対が展示されるという、
有機的で刺激的、興味深い企画になっています。
本歌と本歌取(ほんかどり)を同時に読むと、
両方の理解が深まり、
本歌の本質はこうであったのか、
本歌取をした読み手はそのように深みを加えたのかと、
面白味が倍増する経験に似ています。
伊藤彩の制作方法は独特で、
自作の絵画、立体や、布、家具などを点景にジオラマを作り、
その写真を元にペインティングを制作しています。
リチャード・ゴーマンの、
複数の、色を持つ形の関係だけで成り立つミニマルな作品は、
伊藤彩による「具体化」を経て、
色彩と関係に、ある生気が見出され、
色の放射は、内向へと転換し、
ここだけのひっそりとした郷愁が生まれます。
左右の作品を同時鑑賞することにより、
リチャード・ゴーマンの形態の純化から、
伊藤彩による
かつてあったはずの対象への逆行に、
立ち会うかのような臨場感を味わう。
そんな印象でした。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
ジオラマに使われた立体作品と、
最終的なペインティング。
写真:筆者撮影
茅ヶ崎市美術館で同時開催中の、
「リチャード・ゴーマン『形情』」展のポスター。
20190406 鑑賞