2020.02.16 Sunday
4086 コバヤシ画廊(中央区銀座3-8):永原トミヒロ展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
コバヤシ画廊(中央区銀座3-8)では、永原トミヒロ展。
会場風景。
油彩による風景画。
画家が生まれたときから暮らす岸和田市の風景がモチーフです。
風景を描くので風景画には違いありませんが、
一般的なそれとは随分と様相が異なります。
風景を描くモチベーションは、
ある風景に、描くに値する美的魅力があって、
それをキャンバス上に再現することだと思われますが、
では、この画家は、風景の何の再現を試みたのか。
街なのに、人影や、暮らしを彩るアイテムは省かれ、
色がない青黒いモノクローム。
建物の仕上げ材や、天候、季節も表現されません。
様々な要因が溶けきったあとで、
水面や、壁、空は、
その質感だけが濃い密度で迫り、
あたりを満たす空気を鑑賞者は感じることになります。
岸和田市のある一画の現状を描いているのではなく、
キャンバスという限られた区画の中に、
画家にとっての岸和田市を創造しています。
画面は特定の何かという束縛から逃れ、
空間はイメージの空間となり、
そこには予感だけが浮遊する。
そんな印象でした。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
写真:筆者撮影
20200204 鑑賞