2018.08.03 Friday
3329 藍画廊(中央区銀座1-5):しばたみづき展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
画廊からの発言「新世代への視点2018」
藍画廊(中央区銀座1-5)では、しばたみづき展。
「新世代への視点2018」は、
東京現代美術画廊会議主催で、
1993年より続く、
銀座・京橋を中心とした11画廊が推薦する
新鋭作家の個展を各会場で同時開催する企画です。
会場風景。
展覧会タイトルは、ーみることについてー。
粘土の立体作品によるインスタレーション。
陶は成形した粘土を焼成させて、
在る状態を固定させますが、
これらの立体作品は、粘土そのものです。
ですから、乾燥の進行に伴い、
色が変わり、亀裂が入り、(場合によっては)剥離が始まります。
筆者が訪れたのは、会期の二日目だったので、
太い部分はまだ濡れた色で、
細い部分は乾燥して白っぽくなっていて、
剥離が始まっています。
膨らんでいるパーツの一部が下がり始めています。
前日と翌日では多少見た目が違い、
もし、会期がやたらと長ければ、
エントロピー増大の法則において、
いづれ、床に乾燥した破片が散らばる状態になるのでしょう。
美術作品は、
経年変化を作品の属性として認識しませんので、
筆者にとってのこの作品は、
2018/07/24/13:30時点の姿です。
乾燥と湿った部分のバランスが
なかなかいい感じです。
柱の途中が「壺」っぽく膨らんだようで、
壺の上下が伸びたようでもあります。
約束事(棒)と恣意性(壺)の葛藤でしょうか。
システムがほころびると、
自然発生的恣意性が顔を出す。
※恣意性=乾燥状態+壺の形
その出方がアートなのかも。
そんな印象でした。
写真:筆者撮影
20180724 鑑賞