2018.08.12 Sunday
3338 NICHE GALLERY(中央区銀座3-3):八木なぎさ 版画展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
NICHE GALLERY(中央区銀座3-3)では、
八木なぎさ 版画展。
画面の多くを占める四角い区画の中は、
具体的な事象の見当たらない、
複雑な成り立ちの白〜黒の諧調です。
しばらく眺めているうちに、
ふと、四角い区画は箱状になっていて、
画面の下部にそれを支える細く白い柱に気付いたとき、
イメージが揺れる程の軽い衝撃を受けます。
「これは箱庭なのだ」
心象風景を、感性を頼りにそのまま描き出すのではなく、
一旦、心象風景を想定した後、
それを模擬的に再現させるという試み。
何処が違うのだ、というツッコミを筆者自身に向けるなら、
内なる世界との距離感というか、見え方の操作、
といった感じでしょうか。
見る者たちに、
安易にストーリーを連想させない程度の距離をとりつつ、
染め上げたような色調だけで、
これは心象風景そのものではなく、
心象を風景化した箱庭であると語っているようです。
それが絵画という行為の凄み。
そんな印象でした。
規則
植物の起源
橋
くぼみ
写真:筆者撮影
20180724 鑑賞