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紋谷幹男が画廊巡りの印象を綴っていきます。
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3555 ルチオ・フォンタナ「空間概念 期待」について
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    JUGEMテーマ:美術鑑賞



    8回目は、ルチオ・フォンタナ「空間概念 期待」について。



    ルチオ・フォンタナ
    空間概念 期待
    油彩/キャンヴァス
    115.5cm×89cm
    1961年
    大原美術館蔵

    赤く塗り込めたキャンヴァスに、
    緩やかな曲線をえがく3本の鋭い切れ目が
    入れられています。
    文字化するとこれだけなのですが、
    かなり不可思議な事態です。

    絵画は平面上に立体的イリュージョンを起こす手わざなので、
    「緩やかな曲線をえがく3本の鋭い切れ目が入れられている」
    状態は、筆と絵具で表現すべきなのです。
    「カッターで切られているように見えるけど、
    近付けば、絵だったんだ」
    といった意外性のある体験を提供すべきなのです。

    逆に、いきなり実際に切ってしまう行為は、
    絵画ではなく、立体制作の発想です。
    それならば、素材は赤く塗ったキャンバスではなく、
    布や紙を相手にするべきでしょう。

    ですから、ルチオ・フォンタナが
    制作の基材を、
    単色で塗るという絵画的行為を施した
    キャンバスに限ったことは重要な判断です。

    絵画という前提を崩さないまま、
    イリュージョンではない彫刻的な空間性を併せ持つという、
    次元の追加を試みたのでは。
    そんな印象でした。

     
    | 印象記 | 05:20 | comments(0) | trackbacks(0) | - |









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