2019.06.16 Sunday
3786 アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5):玉虫良次展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5)では、玉虫良次展。
会場風景。
展覧会タイトルは、ーEPOCHー。
会場の2面の壁面を使って、
壁画、障壁画的スケールの大作が展示されています。
この作品の前を右左、遠近と移動し、
あるいは、定点で首を回して、
あるいはじっとしていると、
外から「鑑賞」するはずの絵画の中に筆者も紛れ込んで、
この空間と時間を体で感じている、
そんなライブな高揚感が湧いてきます。
描かれているのは昭和30年代の地方都市のようです。
全景を俯瞰していますが、
視点はいくつもあり、透視図的正確さは考慮されず、
画家が描きたいことを描きたいように描いているようです。
半世紀前の日常の時間は、当時は無意識に流れていましたが、
それを絵で描くことによって、
半世紀前の当たり前の時間が、
不思議なものとして画面の中で意識化されます。
画家は記憶の断片を愛でるように、
その一つ一つを確かめる手段として描いているのでしょう。
かつての日常の風景は、
画家の思いによる再構築が行われ、
今では夢の、幻想的な空間が出現します。
思い出に浸っているのではなく、
理想の世界を描いているのでもなく、
人が町で生きていた、という作者の思いが現れている。
そんな印象でした。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
立体作品。
写真:筆者撮影
20190611 鑑賞