2020.01.26 Sunday
4060 ギャルリー東京ユマニテ bis(中央区京橋3-5-3):川野昌通展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
ギャルリー東京ユマニテ bis(中央区京橋3-5-3)では、
川野昌通展。
会場風景。
展覧会タイトルは、〜鉄―徴表〜。
塔状の作品が天井すれすれまでに立ち上がっています。
鉄による立体作品ですが、
鉄は塊ではなく、
逆に、自身の形態を維持するための
最低限の薄さ、細さです。
結果、鉄の質量ではなく、
鉄の素材感だけが空間に漂います。
四角い鉄板が隙間を取って垂直に重なります。
その隙間は上にいくほど均等に広くなっています。
鉄板間に円柱が氷柱(つらら)状に垂れています。
鉄板の中央に円が穿たれ、
円と円柱の直径も
上にいくほど均等に広くなっています。
遠景ならば、逆円錐形が見えてくるはずです。
照明により影が投影されますが、
本体と影の相乗効果により、
何やら厳かな雰囲気が漂います。
作品のパーツの薄さ、細さ、
成り立ちの危うさ、
塔ではなく、「塔状」として認識された直観において、
目の前の事象は、
立体作品(実態)として物質ではなく、
色や形にならない何かの仮託ではないか、
という予感が生まれます。
形態のかなたにあるフォルム。
作品は作られたのではなく、生じさせた。
そんな印象でした。
写真:筆者撮影
20200115 鑑賞