2020.05.30 Saturday
4199 「現代美術―ウォーホル以後」探訪・6 アンゼルム・キーファー
JUGEMテーマ:美術鑑賞
「現代美術―ウォーホル以後」探訪の6人目は、
アンゼルム・キーファー(Anselm Kiefer:1945ー)。
巨大な画面。重厚で深淵。
制作テーマは、
ドイツの歴史、ナチス、大戦、リヒャルト・ワーグナー、
ギリシャ神話、聖書など。
目に見える事象ではなく、
自身の記憶、自身が生きる世界の記憶。
それを客観的に眺め、トレースするのではなく、
自身が当事者として入り込み、
その場のその時間で受けるであろう
驚き、痛み、恍惚などを、
平面上にさらけ出します。
図像を描くのではなく、
虚構空間を内包しつつ現実に存在させるため、
藁が塗り込められ、鉛のオブジェが貼り付けられるので、
素材の物質性が湿度を伴って濃く漂います。
抽象表現の現代美術にも関わらず、
エモーショナルな曖昧さに逃避せず、
作品における「主題」や「意味」の重要性に向き合っています。
これらの作品群は、
「主題」や「意味」の媒体で、
図像が描かれたキャンバスという物体では成しえない、
異世界への入り口に押し込む
強制力を秘めている。
そんな印象でした。
知らない画家へ
1983
重い雲
1985
オリシスとイシス
1985ー1987
革命の女たち
1992
アンドロメダ
2001
20200530 記