画廊めぐりノート2024-03-25T10:51:44+09:00紋谷幹男が画廊巡りの印象を綴っていきます。JUGEM5331 国立新美術館(港区六本木7-22):白日会創立百周年記念展・4https://monyaart.jugem.jp/?eid=53602024-03-25T04:55:56+09:002024-03-24T19:55:56Z2024-03-24T19:55:56Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
国立新美術館(港区六本木7-22)では、白日会創立百周年記念展。
彫刻部会場風景。
花時雨
会員
佐藤順一
桜が咲く頃とはいえ、強い寒風。
にわか雨が降ってきて、
折り畳み傘を開き、
彫刻では表現され...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では、白日会創立百周年記念展。
彫刻部会場風景。
花時雨
会員
佐藤順一
桜が咲く頃とはいえ、強い寒風。
にわか雨が降ってきて、
折り畳み傘を開き、
彫刻では表現されない柄をしっかり掴んで、
前かがみで先を急ぐ。
それだけのことだが、
言外の多くの状況が作品に漂う。
波紋
会員
勝野眞言
クロッキーの様にササッと造ったような
スピード感に、
作家が繋ぎ止めたかった
深い表情が感じられる。
COMA-MANULNECO(SPICY&MILD)
会員
森 英顕
左右で「阿吽」なので、狛犬が想起される。
猫に狛犬のスタイルを模させて、
神聖を日常に反転させる。
雲とおしゃべり
会員
野添浩一
優れた彫刻作品は、
造形以上の表現をはらむ。
このひと時の喜びが空間に放射されている。
写真:筆者撮影
20240321 鑑賞
]]>5330 国立新美術館(港区六本木7-22):白日会創立百周年記念展・3https://monyaart.jugem.jp/?eid=53592024-03-24T04:53:08+09:002024-03-23T19:53:08Z2024-03-23T19:53:08Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
国立新美術館(港区六本木7-22)では、白日会創立百周年記念展。
会場風景。
Secret Garden
会員
長谷川晶子
油彩画は油絵具と筆で引き起こされるキャンバス上の出来事。
それぞれが躍動すれば、
この...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では、白日会創立百周年記念展。
会場風景。
Secret Garden
会員
長谷川晶子
油彩画は油絵具と筆で引き起こされるキャンバス上の出来事。
それぞれが躍動すれば、
このような一場面が現れる。
日の当たるところは見えた緑で、
影のところは感じられた青。
SOMPO美術館賞
a little story
会員
宇田川 格
画面は柔らかい光で満たされ、
絵画の時間も空間も柔らかい。
褐色の中で水色がきらめく。
陽だまり
会員
鏡 泰裕
写実もここまでくると空気が満ち始める。
日当たりと影で、ある刹那が切り取られる。
再現と創造の境界が消え、
画家にとってのあるべき世界が出現する。
一般佳作賞
着物を楽しむ
一般
仁木聖子
日本画的なモチーフを油彩画で描き込めば、
装飾性が後退し、
背後に詩情が漂いつつ、
着物を着る女性の生気がリアルに現れる。
写真:筆者撮影
20240321 鑑賞
]]>5329 国立新美術館(港区六本木7-22):白日会創立百周年記念展・2https://monyaart.jugem.jp/?eid=53582024-03-23T04:55:14+09:002024-03-22T19:56:14Z2024-03-22T19:55:14Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
国立新美術館(港区六本木7-22)では、
白日会創立百周年記念展。
会場風景。
ECHO―裸婦と猫
会員
寺久保文宣
具象画は何が描かれたのかがわかる絵画なので、
形態の写実的なアプローチと、この作品の...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では、
白日会創立百周年記念展。
会場風景。
ECHO―裸婦と猫
会員
寺久保文宣
具象画は何が描かれたのかがわかる絵画なので、
形態の写実的なアプローチと、この作品のような、
形態からはずれながら(ディフォルメ)、
形態では表せない詩的な気分を漂わせるアプローチがある。
画面は柔らかな3色の帯で構成され、
聴こえない残響が流れる。
会員賞
怠惰で優雅な日
会員
吉成浩昭
油彩画の楽しみは、
油絵具の質感と大きく素早い筆致。
確かなデッサン力と構成の妙があれば申し分ない。
内的な時間を過ごしている、余白のような3人。
強い青色が3人を繋ぎ止めている。
瀧川画廊賞
意志
会員
大沼紘一郎
海辺の朽ちた流木と、岩々。
生命や色はなく、荒涼としているが、
造形は複雑怪奇。
ここに美が宿るのが神の意志なら、
画家はそれを見極めてゆく。
月の道と造船所―尾道風景
会員
果醐季乃子
説明ではなく、画面が語る。
海と夜空が溶け合う中で、
造船所らしきものが月明りで浮かび上がる。
この世にひっそり息づく出来事は、
絵画の技だけが露わにする。
写真:筆者撮影
20240321 鑑賞
]]>5328 国立新美術館(港区六本木7-22):白日会創立百周年記念展・1https://monyaart.jugem.jp/?eid=53572024-03-22T04:57:24+09:002024-03-21T19:57:24Z2024-03-21T19:57:24Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
国立新美術館(港区六本木7-22)では、
白日会創立百周年記念展。
第1室 会場風景。
白日展は自他共に認める「具象系の雄」なので、
作品は「写実」がほとんどとなります。
人の手による写実は、
「実態を光学的...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では、
白日会創立百周年記念展。
第1室 会場風景。
白日展は自他共に認める「具象系の雄」なので、
作品は「写実」がほとんどとなります。
人の手による写実は、
「実態を光学的に記録する」
写真の正確さにかないませんが、
「見えるものを通して、見えないものを描こうとする」ことで、
画家の感性の領域(アート)となります。
花とカフカ
会員
𠮷間春樹
同一人物を角度を変えて並置して描く。
同じ人は違う二人になる。
さらに、キャンバス上では、
油絵具による二つのポートレートだが、
画家の前では、鏡像と実体。
鏡像はじっとこちらを見ていて、
実体は横顔を見せている。
写実力は濃密なリアルを視覚化する。
黎明
会員
熊谷有展
つくづく、絵画としての実態があるのだと
実感させられる。
この画法の絵画で表することで、
現実の風景は、
美を託された空間として現れる。
White Rose
会員
河野桂一郎
(パット見の)去年の作品との違いは、
衣服の色と丈だけ。
ピンポイント的に、
これだけを描ききりたいという執着がすさまじい。
絵画は、生身の感触を、
美という手続きで差し出す。
春のシグナル
会員
吉住裕美
春の徴(しるし)は写実でも表現できるかもしれないが、
春のシグナル(気配)で高揚した気分は、
このような大きな掴みでなければ見えてこないだろう。
文部科学大臣賞
瑞花の庭園
会員
中谷 晃
モチーフの選定や平面的で装飾的な表現は、
日本画の特徴を示すが、
近付けば、緻密に描き込まれた油彩画なので、
その心地よい混乱は、
絵画とは、見え方から見せ方への美的昇華であることの、
証(あかし)となる。
写真:筆者撮影
20240321 鑑賞
]]>5327 国立新美術館(港区六本木7-22):第10回日展(洋画・2)https://monyaart.jugem.jp/?eid=53562023-12-01T05:03:09+09:002023-11-30T20:03:09Z2023-11-30T20:03:09Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
会場風景。
日本画、洋画で特に印象深かった作品は、
日本画23点、洋画10点。
洋画を2回に分けて紹介する後半です。
道化師
会員
田中里奈
...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
会場風景。
日本画、洋画で特に印象深かった作品は、
日本画23点、洋画10点。
洋画を2回に分けて紹介する後半です。
道化師
会員
田中里奈
Lace又は刺繍
会員
小関修一
いつの世も目指したのは平和のはず
会員
渡邊裕公
夕景・安曇野
会員
歳嶋洋一朗
うしろの鏡
会員
桑原富一
写真:筆者撮影
20231122 鑑賞
]]>5326 国立新美術館(港区六本木7-22):第10回日展(洋画・1)https://monyaart.jugem.jp/?eid=53552023-11-30T04:55:09+09:002023-11-29T19:55:09Z2023-11-29T19:55:09Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
洋画第1室会場風景。
日本画、洋画で特に印象深かった作品は、
日本画23点、洋画10点。
洋画を2回に分けて
紹介してゆきます。
さて、日本画の23点に対し...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
洋画第1室会場風景。
日本画、洋画で特に印象深かった作品は、
日本画23点、洋画10点。
洋画を2回に分けて
紹介してゆきます。
さて、日本画の23点に対して、洋画が10点、
前回までの日本画については、
各作品に対してコメントを付けたのに、
洋画はコメント無し。
その理由を自己分析してみると、
優れた日本画は、作品は窓であって、
その向こうの世界を予感させるのに対し、
優れた具象系洋画は、
優れた人物画、静物画、風景画であることに
徹しているということでしょうか。
花鳥風月であれ、禅であれ、
日本の絵画は心に何かを起動させる装置(見立て)で、
洋画はそれで自己完結した室内鑑賞物だったので、
そもそも役割が違っていたのかもしれません。
結果、「優れた」日本画の多くは精神性を帯び、
洋画における精神性の渇望は、
現代美術の抽象画の圧倒的隆盛を生んだのだと思われます。
静かな刻
入選
山本佳子
Smorzando
内閣総理大臣賞
会員・審査員
西房浩二
黄昏のザルツブルグ
準会員・審査員
本田年男
time on the table
特選
福本弥生
時
会員
橋本一貫
写真:筆者撮影
20231122 鑑賞
]]>5325 国立新美術館(港区六本木7-22):第10回日展(日本画・4)https://monyaart.jugem.jp/?eid=53542023-11-29T04:56:12+09:002023-11-28T19:56:12Z2023-11-28T19:56:12Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
日本画を4回、洋画を2回に分けて
紹介する日本画の最終回です。
夏至の旋律
準会員
棚町宣弘
実に難儀なモチーフですが、
全く意に介することなく、
...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
日本画を4回、洋画を2回に分けて
紹介する日本画の最終回です。
夏至の旋律
準会員
棚町宣弘
実に難儀なモチーフですが、
全く意に介することなく、
真っ向からとことん描き切っています。
風景画になりにくい美ですが、
描くことでこのように美が刻まれます。
椅子の上の
準会員
大?多実穂
座面に実を付けた蔓が置かれた
椅子だけなのですが、
逆にそれだけで絵画になってしまう、
再現性ではない密度。
共に羽ばたく。
無鑑査
鵜飼義丈
モチーフが絵画的に変容し、
具象の残滓を留めながら、
抽象へと深まります。
最初から抽象な絵画より、
よほど抽象の深度があります。
街並
入選
池畑秀穂
作品全体を眺めれば、
しっとり雨に濡れた街角ですが、
細部を子細に眺めれば、
色の断片の集積です。
視覚情報ではなく、空気感はこのように再現されます。
夏日
入選
中馬由輔
ガムテープがはがれて、
落ちそうになっているポスター。
何のポスターだったのか、妙に気になります。
モチーフは薄汚れた壁と自転車だけなのですが、
感性と画力で、
再現されたものは場面という出来事になっています。
いい絵だなあと独りごちます。
写真:筆者撮影
20231122 鑑賞
]]>5324 国立新美術館(港区六本木7-22):第10回日展(日本画・3)https://monyaart.jugem.jp/?eid=53532023-11-28T05:10:01+09:002023-11-27T20:10:01Z2023-11-27T20:10:01Z
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国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
日本画を5回、洋画を2回に分けて
紹介する日本画の3回目です。
神々の島
会員
佐藤俊介
強い調子でコンクリートの桟橋が中央を貫き、
画面はシンメ...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
日本画を5回、洋画を2回に分けて
紹介する日本画の3回目です。
神々の島
会員
佐藤俊介
強い調子でコンクリートの桟橋が中央を貫き、
画面はシンメトリーの枠がはめられますが、
抗するように各部がうごめきます。
秘められた力が予感されます。
冬隣り
会員
森 美樹
大きな余白、限られた色数、平面的な構成で、
安定の日本画のはずですが、
密度の濃い描き込みによる独特の世界観で、
絵画は日本画から遊離します。
繋留船
会員
平尾秀明
白い背景の画面上部に浮かぶ黒い塊。
マーク・ロスコのカラー・フィールド・ペインティングが想起されますが、
その実、がっちりと実体が込められています。
STADIUM
会員
士農 力
丸く切り取られた空の下は、
執拗に描き込まれたリアルな風景。
しかし、
一筆一筆の痕跡は全体の中に溶け込み、
代わりに場の力が漂います。
生々流転
会員
新川美湖
色を使わず色を感じさせる。
描きようのないものを予感させる。
日本画の技が極まります。
宿雨(方丈記 日野)
会員・審査員
丸山 勉
同じモノトーンの上の作品と比べると面白いのですが、
モチーフに表現の目的が潜むなら、
それを開示させるし、
このように、モチーフが表現の入り口なら、
その奥へ奥へと踏み込んでゆくことになります。
写真:筆者撮影
20231122 鑑賞
]]>5323 国立新美術館(港区六本木7-22):第10回日展(日本画・2)https://monyaart.jugem.jp/?eid=53522023-11-27T05:04:53+09:002023-11-26T20:04:53Z2023-11-26T20:04:53Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
日本画を5回、洋画を2回に分けて
紹介する日本画の2回目です。
天体観測
特選
福田季生(きはる)
日本画の得意技の、
装飾性豊かなフラット図像ではあ...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
日本画を5回、洋画を2回に分けて
紹介する日本画の2回目です。
天体観測
特選
福田季生(きはる)
日本画の得意技の、
装飾性豊かなフラット図像ではあるのですが、
どうもそこに居座らず、
すがすがしい生気も立ち上がります。
なぜだろうと、しばし眺めていました。
蓮
特選
小木曽 登
ありがちなモチーフに挑む以上、
独自性、新規性が求められますが、
充分以上に完成度の高い新たな境地に至っています。
陽を受けて白く照り返す実像と、
水面に映る色を持つ虚像。
少ない要素で小宇宙が描かれます。
夜の隙間
特選
三谷佳典
画面には読み取るべき図像が配置され、
心象が潜みます。
各パーツが何で、結果、何が語られるのかは、
わかりませんが、
絵画の表と裏で等価値のクオリティーが達成されています。
Underpass
入選
高山啓史
まあ、難儀なテーマに踏み込んだものだと、
感心しますが、
そのまま、律儀に再現するのではなく、
かなりエフェクトをかけながら、
風景以上の意味を漂わせます。
北陸に春
入選
宮下和司
「二の字」の大きな構成が目に飛び込んできます。
風景は切り取り方でこのような得難い小景となり、
凄い画力が絵画へと昇華させます。
庭の七夕
入選
木村友彦
日本画の装飾性の解釈は、
画家の数分ありますが、
この画家にとっての装飾性は、
工芸に近い手作業から生まれながらも、
絵画の骨格は、ルドン的に装飾性の先の抽象性へ至っています。
写真:筆者撮影
20231122 鑑賞
]]>5322 国立新美術館(港区六本木7-22):第10回日展(日本画・1)https://monyaart.jugem.jp/?eid=53512023-11-26T04:55:39+09:002023-11-25T19:55:39Z2023-11-25T19:55:39Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
日本画第1室会場風景。
日本画、洋画で特に印象深かった作品は、
日本画23点、洋画10点。
この隔たりには我ながら違和感がありますが、
これが先入観なしに...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では第10回日展。
日本画第1室会場風景。
日本画、洋画で特に印象深かった作品は、
日本画23点、洋画10点。
この隔たりには我ながら違和感がありますが、
これが先入観なしにじっくり鑑賞した結果です。
特に日本画の若い番号室の充実ぶりには、
毎年ながら、圧倒されます。
それでは日本画を5回、洋画を2回に分けて
紹介してゆきます。
舟屋
特選
竹内昌二
漆黒の向こうに白い陽光。
写真ではモノトーンに見えますが、
実際は肌合いの複雑さ深さはぎょっとするほどで、
色では達成できない空気感が漂います。
千円畑
入選
五位堂 蘭
ビジュアル的に面白い風景は多く存在しますが、
その面白みを、平面に置き換え、
絵画という新たな現実に昇華させ得る技量は貴重です。
驟雨
入選
山田浩子
このモチーフは洋画、日本画共、よく採用されますが、
独特な図像装飾的アプローチで、
実態に迫ったこの作品は、
類似の作品から突き抜けています。
水鏡
新入選
矢野宏実
上の作品とモチーフはダブりますが、
こちらも力技です。
映っていることによる揺らぎ、変容で、
描かれない水面がここに存在します。
ときめく
入選
井上恵理
日本画の人物画には絵を安定させる規範がありますが、
このように規範から外れ、
自由なカジュアル側で表現することで、
日常の時間と空気感がしっとり漂います。
古梅香香(飛鳥)
特選
久保嶺爾
インパクトある構図(驚き)は、
日常に潜んでいます。
自然に溶け込んでいるインパクトは、
優れた絵画で実体化します。
写真:筆者撮影
20231122 鑑賞
]]>5321 ギャラリーなつか (中央区京橋3-4):石丸康生展https://monyaart.jugem.jp/?eid=53502023-11-01T04:54:06+09:002023-10-31T19:54:06Z2023-10-31T19:54:06Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
会場風景。
展覧会タイトルは、「大津島から―霾―」。
※霾:つちふる。風が土砂を巻きあげて降らせる。
具体的な何かを描こうとしたのではなく、
画面の上で、具体的な何かの現象を
引き起こそうとしているようです。
絵...紋谷幹男印象記
会場風景。
展覧会タイトルは、「大津島から―霾―」。
※霾:つちふる。風が土砂を巻きあげて降らせる。
具体的な何かを描こうとしたのではなく、
画面の上で、具体的な何かの現象を
引き起こそうとしているようです。
絵具は色を表現する媒体ではなく、
空気や動きが仮託されます。
そういった意味で、これらは抽象絵画でありつつ、
絵具による図像はイリュージョンではなく、
絵具という素材の実体で、
たまたま平面のオブジェでもあります。
色と素材の凹凸のズレや、
ステイプルによる縫い合せ、
キャンバスは絵画の支持体ではなく、
独立したシェイプであるという見せ方などにより、
これらのオブジェ感は増幅されます。
絵具とのやりとりの中で、
表れてきたものを捉える。
そこには視覚だけではなく、感性全体が使われる。
そんな印象でした。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
写真:筆者撮影
20231012 鑑賞
]]>5320 アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5):築井渚・砂長正宗展https://monyaart.jugem.jp/?eid=53492023-10-31T05:12:00+09:002023-10-31T07:05:42Z2023-10-30T20:12:00Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5)では、
築井渚・砂長正宗展。
会場風景。
築井渚は人物(女性)を描きますが、
美を仮託するでもなく、
姿形を正確に再現するでもなく、
何というか、「そのまま」に描こうとし...紋谷幹男印象記
アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5)では、
築井渚・砂長正宗展。
会場風景。
築井渚は人物(女性)を描きますが、
美を仮託するでもなく、
姿形を正確に再現するでもなく、
何というか、「そのまま」に描こうとしています。
ポーズを取らず、仕草も現わさず、そこに居ることが、
とても貴重なことで、
それをそのまま掬い取ろうとしています。
砂長正宗のアプローチにはひねりがあり、
そのひねりから、
日常に埋もれたささやかな輝きが漏れてきます。
「そぞろ」は、
水族館の水槽の魚を一心に見つめる少女を、
水槽側から描いていて、
少女も水槽の暗色の背景になることで、
二つの世界の並置が浮かび上がります。
めぐる
築井渚
あかり
築井渚
そぞろ
砂長正宗
豪胆
砂長正宗
写真:筆者撮影
20231012 鑑賞
]]>5319 ギャルリー東京ユマニテbis(中央区京橋3-5-3):中井川由季展https://monyaart.jugem.jp/?eid=53482023-10-30T04:55:00+09:002023-10-31T07:06:43Z2023-10-29T19:55:00Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
ギャルリー東京ユマニテbis(中央区京橋3-5-3)では、
中井川由季展。
会場風景。
展覧会タイトルは
ー中井川由季作品集「森にかくれる」出版記念展ー
陶:中井川由季 写真:林雅之
中井川の陶による立体作品2点と、
...紋谷幹男印象記
ギャルリー東京ユマニテbis(中央区京橋3-5-3)では、
中井川由季展。
会場風景。
展覧会タイトルは
ー中井川由季作品集「森にかくれる」出版記念展ー
陶:中井川由季 写真:林雅之
中井川の陶による立体作品2点と、
作品集に掲載された林の写真9点が展示されています。
3つの次元の、独立しつつ、連動しあう表現。
一つ目は陶による立体作品の制作。
2つの作品の様相は異なるものの、
多くのパーツが寄り集まっていることで、
生成、成長、増幅など、
生命の営みが暗示されます。
形態は何かを模した訳ではなく、
オリジナルで独自なものですが、
観る側によって、何かのようだという、予感の生まれる
緩やかな親和性があります。
二つ目は、森の中に置くという行為。
樹木の様に風で動いたり、秋に紅葉したりはしませんが、
木漏れ日を受けて、
森と空間、同じ時間、環境を共有しています。
強い違和感を発しながら、
居座りつつ、森に何かのきっかけを生んでいます。
三つ目は、その現場で生まれた何かに驚き、
切り撮り、定着させる写真撮影。
肝心なのは、森に置かれたオブジェを撮ったのではなく、
オブジェが置かれた森を撮ったということ。
不思議な形は、
森に置かれて、観る側の記憶を刺激し、
何故だか懐かしい風景を作り出している。
そんな印象でした。
光のある場所で咲く
ヒカリの森のカケラ
写真:筆者撮影
20231012 鑑賞
]]>5318 ギャルリー東京ユマニテ(中央区京橋3-5-3):岡本敦生+野田裕示展https://monyaart.jugem.jp/?eid=53472023-10-29T04:59:00+09:002023-10-31T07:07:07Z2023-10-28T19:59:00Z
JUGEMテーマ:美術鑑賞
ギャルリー東京ユマニテ(中央区京橋3-5-3)では、
岡本敦生+野田裕示展。
会場風景。
展覧会タイトルはーコラボレーションー。
石彫の岡本敦生と絵画の野田裕示による共同制作。
そのように書くと、
陶芸家の作品に...紋谷幹男印象記
ギャルリー東京ユマニテ(中央区京橋3-5-3)では、
岡本敦生+野田裕示展。
会場風景。
展覧会タイトルはーコラボレーションー。
石彫の岡本敦生と絵画の野田裕示による共同制作。
そのように書くと、
陶芸家の作品に、絵付師が絵付けするといった、
分業的ニュアンスがありますが、
展示された作品群を観ると、
どうもそうではない、
もっと有機的な何事かが起こっているようです。
むろん、ジャズセッションのような、
そうくるならこう返すみたいなやり取りの連続ではなく、
造られた立体に、絵画を描くという、
不可逆の1回きりのセッションなのですが、
立体側には挑発があり、
絵画側には応酬があります。
絵画と立体の合体は、
絵画と立体が個別に存在するので、
絵画と立体、それぞれの認識が可能ですが、
このような、
絵画化された立体、立体化された絵画は、
顔の造作と表情のように、
一体化されることで表現される以上、
観ているモノは、絵画でも立体でもない新たな
表現媒体です。
こうなると、美術史上の事件のようですが、
確かにそのような大ごとなのかもしれません。
絵画は絵具が塗られた平面ではなくなり、
立体は陰影とボリュームを失い、
作品は他の何かの比喩でなくなり、
見ているままの物体に居座る。
そんな印象でした。
写真:筆者撮影
20231012 鑑賞
]]>5317 国立新美術館(港区六本木7-22):第86回 新制作展・4https://monyaart.jugem.jp/?eid=53462023-10-22T05:12:00+09:002023-10-31T07:07:35Z2023-10-21T20:12:00Z
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国立新美術館(港区六本木7-22)では、第86回 新制作展。
昭和11年(1936年)当時の社会状況が戦時体制に傾斜しつつある頃、
新制作協会(発足時:新制作派協会)は誕生しました。
自由と純粋さを求めて立ちあがった...紋谷幹男印象記
国立新美術館(港区六本木7-22)では、第86回 新制作展。
昭和11年(1936年)当時の社会状況が戦時体制に傾斜しつつある頃、
新制作協会(発足時:新制作派協会)は誕生しました。
自由と純粋さを求めて立ちあがった、若き9人の青年画家、
猪熊弦一郎、伊勢正義、脇田和、中西利雄、
内田巌、小磯良平、佐藤敬、三田康、鈴木誠
により、結成されました。
現在は、絵画、彫刻、スペースデザインの三部門を持つ、
抽象が主力の在野系公募団体の雄です。
彫刻会場風景。
じっくり観て回り、
印象深かった作品が絵画が18点。
彫刻が6点でした。
抽象画がほとんどですが、
同時開催の行動展のような、
純度の高い抽象表現を突き進むのではなく、
高い画力を生かした、
自在な表現手段による、
様々なアプローチを堪能することができました。
最終回は彫刻作品の紹介です。
私の指向は、結果的には、
屋内彫刻は人体がベースになった半具象彫刻、
屋外は純度の高い抽象彫刻となりましたが、
全体の比率もそのようです。
これは興味深いテーマです。
半具象彫刻で人体がベースなのは、
精神性を仮託しやすいのと、
外と中で、作品傾向の偏りがあるのは、
鑑賞する空間、距離感あたりが影響するのでしょうか。
happying
縄文土器片
会員
増井岳人
心躍る言葉
ケヤキ
会員
小柳順
対、見つめる
コールテン鋼・銅
藤田結花
殻B
石膏
協友
飯田昌史
無限大の構造
ケヤキ
会員
永津守
和
黒御影石
会員
菱田波
時のカプセル・内と外 13
赤御影石
会員
中谷聡
写真:筆者撮影
20230920 鑑賞
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