2016.02.29 Monday
1687 ギャラリー現(中央区銀座1-10):尾崎拓磨展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
ギャラリー現(中央区銀座1-10)では、尾崎拓磨展。
会場風景。
中心線を回転の軸として、図形を回転させて得られる回転体。
有機的な形状に加え、表面に繊毛が生えているので、
何やら水中を浮遊する、単細胞生物のように見えます。
また、境界線があいまいなオブジェという、
見慣れない刺激的な観賞体験も味わえます。
制作方法はシンプルで、
同一直径の針金の円を水平に、輪になる様に繋ぎ、
上下に、輪の数は同じながら、直径と、地面に対する角度を変えて、
繋いでゆきます。
結果的に有機的で滑らかな曲面が得られます。
一つの輪に対して、左右、上下に計6個の輪が繋がりますが、
結束バンドで接続している点が、
独創的かつ秀逸なアイデアで、オブジェの表皮に、
不思議な「毛深さ」が生じています。
「御苦労さま」とねぎらいたくなるような、
労働集約系アートですが、
ゆらゆら揺れる作品群には、
そのような過程の大変さを感じさせない「ゆるさ」が醸し出されています。
作家は完成形の作品よりも、
制作手順プログラム開発の方に、
クリエイティブな関心が強いと思われました。
作品の展開力が、
アートの方向性の一つとしての説得力を示していました。
20160216 観賞