2016.03.31 Thursday
1749 ギャラリー現(中央区銀座1-10):宮田昌作展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
ギャラリー現(中央区銀座1-10)では、宮田昌作展。
会場風景。
不思議な絵画表現。
同一サイズの正方形の絵画78枚が、
整然と(一部は歯抜け状態で)並んでいます。
黒地に様々なモチーフが描かれていますが、
女性像が多く、あとは小動物や風景、幾何学模様などで、
見ただけではお互いの関連性や、全体メッセージ、
配置の約束事が見えてきません。
特異な事に、画面全体を縦横11等分した正方形の格子が、
図象の上に描かれています。
確かな画力、筆を使わない独特の画法で、
魅力的なタブローです。
黒い地に浮かび上がる事象の手前に格子があり、
事象の解釈が再現的なものでなく、
ある空間にある瞬間、浮かび上がったような印象。
それは、夢の中に閉じ込められた記憶が、
外界に出ようとした瞬間に崩壊する刹那のようです。
日々更新される様々な情報に覆われている中、
同時に、確定的な情報など一つもない中、
絵画という手段で発信できることは、
夢のような幻想感の確認ではないのか、
といった印象でした。
作品と部分詳細。
20160315 観賞