2016.04.30 Saturday
1812 アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5):阿部観水展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5)では、阿部観水展。
日本画による魚を描いた大作。
しんとした雰囲気、綺麗な色合いに見惚れてしまいます。
1.日本画で錦鯉などを描く場合、
水面を通して、鯉の上面を描くのに、
この絵では魚の側面を描いている。
2.画面の奥に、立方体のフレームのような太い直線が引かれている。
ということで、作家は水槽の魚を横から見て描き、
あえて、ラインを描き込むことで、
水槽という人工的な環境を積極的に表現しています。
水槽なので、光は正面から当たり、
明暗や奥行きの無いフラットな空間が生まれます。
光は水の中に柔らかく溶け込んでいます。
自然の海や川でない、閉塞された空間。
しかし、甘美な夢の中のような空間。
魚という、なにやら悟りきったような生き物は、
そんな空間で、永遠にたどりつかないイメージを暗示する、
そんな印象でした。
夏秋水槽図
高知麻紙、岩絵具、水干絵具
金環蝕の魚
高知麻紙、岩絵具、水干絵具
第四紀シーラカンス飼育図
高知麻紙、金箔、岩絵具、水干絵具
※作家はトリッキーな効果を狙ったのではなく、
シーラカンスは実際、頭を下にして、逆さになって泳ぐのだそうです。
20160419 観賞