2016.06.30 Thursday
1934 ギャラリー小柳(中央区銀座1-7):堂本右美展
爽やかで観ていて心地良い大作が、
大きな会場にゆったりと配置されています。
作品と
白い壁と、コンクリート打ち放しの柱梁による内部空間が、
不思議な調和を生み、
作品観賞というより、空間体験といった趣。
さて、作品は魅力的ながら、
なぜ、どのように魅力的なのかの文字化(整理)が困難です。
何が描かれているのかが不明です。
そんな時は「純粋な抽象画」として片付けるのですが、
これらの作品は、
描かれた何かに対する既視感において、
筆者にとっては、抽象画ではないようです。
既成の事象には該当しない未知の出来事が、
画面の中で発生、進行しています。
進行と書きましたが、
画面には、流れの一場面であるという強いイメージがありました。
※「その前」も「その後」も予想が付きませんが。
描かれていて、観賞者が心地良く受け止めている以上、
それは「何か」のはずですが、
明確にできないまま、
あるいは一旦保留にしたまま、
絵画観賞を終え、不思議な質量だけが筆者の内面に残りました。
精神の内部の活動が他人には見えない場合、
言語で他人に伝えますが、
作家自身でも言語化できないものの、
他人にも知覚できるようにしようとしたとき、
他人にも知覚できるようにしようとしたとき、
画家はこのように、自身の視覚言語で表わすのでしょう。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
写真:筆者撮影
20160610 観賞