2019.02.28 Thursday
3614 藍画廊(中央区銀座1-5):タナベルン展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
藍画廊(中央区銀座1-5)では、タナベルン展。
会場風景。
画面の質感が、
見慣れた油絵具のねっとりしたマチエールとは、
趣を全く異にする、
伝統的な染物のような柔らかな質感です。
視覚情報の手前の、この触覚的感覚は、
絵画体験に大きな影響があります。
パネルに布を貼ったものに、
ジェッソやアクリル絵の具、色鉛筆、
オイルパステルなどで仕上げることで
この特異な雰囲気が生まれています。
風景が発想の起点になっていますが、
具体的な様々な要素は消え去り、
形ではなく、この風景を描くことになった
「気持ち」だけが画面に残っています。
一種の単純化ではありますが、
インパクトあるディフォルメにはならず、
観る者を自然とこの世界へ招き寄せます。
洗練され尽くすのではなく、
不協和音やノイズをしっかりと生かすことで、
現実の風景では味わえない
作家との濃密な関わりを漂わせている。
そんな印象でした。
田舎
帰り道
8月(5月)
空き家の向こう側
写真:筆者撮影
20190219 鑑賞