2019.05.31 Friday
3755 巷房2+階段下(中央区銀座1-9):石井文徳展
JUGEMテーマ:美術鑑賞
巷房2+階段下(中央区銀座1-9)では、石井文徳展。
左手前が階段下会場入り口、
右奥が巷房2会場入り口。
巷房2会場風景。
白や黒の地にシンプルな形が
パラパラと配置されています。
形の外周は、濃淡が段階的に広がり、
周囲に消え入るようです。
全体で楕円を成すこれらは、
水面に映った作家自身の顔が発想の源なのだそうです。
ああ、そうかと、改めて見れば、
ゆらゆらと揺れる水面から
こっちを見ている顔に見えてきました。
水面に映る自分の顔を見るというのは、
ナルシシズムの語源となったナルキッソスが有名ですが、
日常ではまずはやらない行動だと思われます。
落ちないように無理な体勢で覗き込む。
鏡のように正面に向かい合うのではなく、
真下を見下ろす。
自分の顔は下から見上げられた、
重力に影響を受けた顔。
自分のものであるはずの顔は意味や役割を失い、
図像としてとらえられた途端に、
揺らめく図像は
人間の何かの普遍性を獲得する。
そんな印象でした。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
作品と部分詳細。
階段下会場風景。
写真:筆者撮影
20190514 鑑賞